- 「VRChatで使っているお気に入りのアバターを、実物のフィギュアにしたい」
- 「手元の3Dデータをそのまま使えるの?」
と考えたことはありませんか。
VRChatアバターは、3Dデータをもとにフルカラー3Dプリントでフィギュア化できます。ただし、VRChatで使用できるデータがそのまま造形に適しているとは限らず、ポーズや形状の調整、利用許諾の確認が必要です。
この記事では、フィギュア化の制作工程や必要なデータ、仕上がりに関わる注意点、費用を左右する要因を、TREND 3Dの制作事例も交えて解説します。自作と制作依頼の違いを理解し、自分のアバターをフィギュア化するために必要な準備を判断できるようになります。
【VRChatアバターは3Dプリントでフィギュア化できる】
VRChatで使用しているアバターは、3Dモデルの形状や色情報を活用し、現実のフィギュアとして制作できます。 ただし、VRChat上で正常に表示できることと、3Dプリントで造形できることは別です。
① VRChat用の3Dモデルを造形用に調整して制作する
フィギュア化では、モデルの形状や色を活用して姿勢を決め、パーツを接続し、造形用データに整えます。TREND 3Dでは、FBX等のアバター元データをもとに、厚み・形状の調整から3Dプリント用データへの変換・書き出しまで対応できます。 依頼者自身が造形用データを完成させる必要はありません。
例えば、VRChatでは薄い板状の髪や衣装が自然に見えても、現実のフィギュアでは厚み不足で破損する可能性があります。
TREND 3Dでは、Mimaki 3DUJ-553によるフルカラーインクジェット方式の3Dプリントに対応しています。アクリル系樹脂を用い、造形と同時に着色するため、基本的に完成後の塗装を必要としません。
② 自作と専門業者への依頼では必要な作業が異なる
自作は設備とデータ修正の技術がある人に、専門業者への依頼は調整やフルカラー造形を任せたい人に向いています。
| 比較項目 | 自作 | 専門業者への依頼 |
|---|---|---|
| 設備 | 3Dプリンターなどを準備する | 自分で造形設備を用意する必要はない |
| データ調整 | 原則として自分で対応 | 対応範囲は依頼先による |
| 色の再現 | 方式によっては塗装が必要 | フルカラー造形に対応する業者もある |
| 費用 | 設備・材料・再出力など | 造形費・データ調整費など |
| 仕上がり | 機器や作業技術による | 業者の造形方式や技術による |
フィギュアの造形のみを受け付ける業者もあるため、元データから造形用への変換・修正に対応しているかも確認しましょう。
【VRChatアバターをフィギュア化する制作手順】
基本的な流れは、データと完成イメージの確認、ポーズ・形状の調整、3Dプリントの3段階です。
① アバターデータと完成イメージを確認する
まずは元のモデルデータと、実際に使用している衣装・髪型・アクセサリーの情報を揃えます。FBXやVRMに加え、BlenderのBLENDファイル、テクスチャ画像などがあれば、編集や確認に利用できます。
完成サイズ、表情、ポーズ、台座の有無も整理します。スクリーンショット1枚では背面の装飾が判断しにくいため、正面・側面・背面の参考画像があると希望を伝えやすくなります。
② ポーズや形状を3Dプリント向けに調整する
希望のポーズにした後、造形時に薄すぎる箇所や、身体から独立したパーツがないかを確認します。片足立ちや大きく腕を広げた姿勢では、足元や関節周辺の強度、重心、台座との接続方法も検討します。
また、髪・服・素体を単に重ね合わせただけでは、内部に不要な面が残る場合があります。造形用には、接続部分を適切に整え、穴のない一体の立体形状(ソリッド)にすることが基本です。
③ フルカラー3Dプリントでフィギュアを制作する
形状と色情報を確認した造形用データを、3Dプリンターで出力します。TREND 3Dのフルカラー造形では、カラーインクで各層を形成するため、衣装の模様やグラデーションも造形と同時に表現できます。
造形中は複雑な形を支えるサポート材を使用し、出力後に除去します。3DUJ-553のサポート材は水溶性ですが、細い部位には破損リスクがあるため、データ段階での強度確保が重要です。
【フィギュア化に必要なデータと推奨状態】
制作を相談する際に重要なのは、アバターの元データと、色・ポーズを再現するための関連データです。編集用のファイルと、3Dプリンターで使用する造形用ファイルは役割が異なります。TREND 3Dでは元データから造形用データを作成できるため、後者をあらかじめ用意することは必須ではありません。
| 種類 | 主な形式 | 用途・位置付け |
|---|---|---|
| アバターの元データ | FBX・VRMなど | 制作相談時に提供する基本データ |
| 編集用シーン | BLEND・Maya等 | パーツ確認や形状・ポーズの修正に推奨 |
| テクスチャ | PNG・JPG・PSD | 色や模様の再現に使用 |
| 編集プロジェクト | SPP | Substance Painter使用時に保有していれば提供 |
| 造形用データ | OBJ+MTL+テクスチャ、PLY、VRML、3MF等 | 3Dプリントに使用。TREND 3D側での作成・変換にも対応 |
① FBX・VRMなどのモデルデータと編集用シーンファイル
VRChatでのアバター制作にはFBX形式がよく利用されます。VRM形式も変換ツールを介して活用できますが、VRMはVRChatの標準的なアップロード形式ではありません(VRChat公式資料)。
BlenderのBLENDファイルやMaya等のシーン一式が残っていれば、パーツ構成や変形前のメッシュを確認しやすくなります。
特に、三角形の面だけに分割されたメッシュは、ポーズ変更や形状修正の作業が複雑になる場合があります。ただし、三角化されていること自体は造形不可の理由ではなく、最終的な造形データの作成で三角面化することもあります。
② テクスチャ画像と編集用プロジェクトデータ
アバターの髪色や服の柄を生かすには、モデルに対応するテクスチャが必要です。PNG・JPGのほか、PSDがある場合は、後から色や模様を調整できるようレイヤー構造を維持して提供することを推奨します。Substance Painterを使用していれば、SPPファイルも確認に役立ちます。
TREND 3Dの入稿ガイドでは、自分で造形用データを用意する場合、造形用データではOBJ・MTL・テクスチャを同じフォルダに入れ、テクスチャをできるだけ1枚にまとめることを推奨しています。
③ ポーズ変更が可能なリグ・スキニング情報
リグはモデルを動かす骨組み、スキニングはその動きに合わせて表面を変形させる設定です。これらを保持したシーンがあれば、手足の位置を変える作業が進めやすくなります。
TREND 3Dでは、TポーズやAポーズなど、ポーズ変更が可能なデータを推奨しています。リグがないモデルでも制作の可能性はありますが、ポーズ変更の内容によっては手作業での修正が増えます。
【VRChatアバターをフィギュア化する際の技術的な注意点】
サイズ・強度・色の再現方法を合わせて判断することが、制作後の行き違いを減らすポイントです。
① 髪や衣装、アクセサリーの厚みと強度を確保する
細い髪の束、衣装のフリル、リボン、指先などは、モデルを小さくした際に厚み不足になりやすい箇所です。
TREND 3Dの入稿ガイドでは、最低肉厚2mm以上を推奨しています。ただし、2mmあれば必ず破損しないという意味ではありません。細長いパーツや負荷の集中する接続部では、太さを増やしたり、周囲の形状につなげたりする判断が必要です。
さらに、造形用モデルは基本的に一体化したソリッド形状とし、穴・不要な内部面・自己交差・浮遊パーツなどを整理します。
② シェーダーやテクスチャの見た目は完全に再現できるとは限らない
VRChatのシェーダーは、画面上の陰影、光沢、発光、輪郭などを表現します。一方、フルカラー3Dプリントでは、主に造形データに反映した色やテクスチャで見た目を作ります。このため、画面上の発光や金属光沢が、そのまま現実のフィギュアに移るわけではありません。
TREND 3Dが使用する3DUJ-553はクリアインクにも対応しますが、透明パーツの厚みや内部のカラーパーツとの距離によって透明感が変わります。半透明の衣装や特殊な質感を再現したい場合は、制作前に可能な表現を確認する必要があります。
③ TREND 3Dの制作事例から見るデータ調整の実例
TREND 3Dには、VRChat向けオリジナル3Dモデルをフルカラーフィギュアとして制作した事例があります。
HIRO JAPAN様「クラウディア」では、3DCGデータから造形用データへ変換し、テクスチャの見え方に配慮しながら、トポロジー(面の構成)、強度バランス、隙間、厚みを調整しています。
DOLOS様「ミルティナ」では、BLENDデータをもとに、厚み・強度の補強、形状調整、トポロジーの最適化を行っています。
【購入アバターや改変パーツの権利関係を確認する】
BOOTHなどで購入したアバターは、VRChat内で使用できても、現実のフィギュア制作が許可されているとは限りません。
① 素体・衣装・髪型など各パーツの利用規約を確認する
改変アバターは、素体、髪型、衣装、アクセサリーなどの権利者が異なる場合があります。アバター本体でグッズ化が許可されていても、追加衣装は対象外の場合があります。各パーツの規約を確認しましょう。
VRChat向けモデルで利用されるVN3ライセンスでは、「Q:有体物(グッズ)への利用」や「L:調整・改変の外部委託」などが別の確認項目になっています。許可・不許可や特記事項は作品によって異なるため、アイコンだけで判断せず規約全体を確認する必要があります。
② 立体物制作や外部業者へのデータ提供が許可されているか確認する
専門業者に依頼する場合は、フィギュア化だけでなく、3Dデータの受け渡しや業者による編集・加工も許されているか確認します。個人用に1個だけ作る場合でも、外注制作が自動的に許可されるわけではありません。
著作権法には私的使用のための複製を認める規定がありますが、使用者本人が行う複製を前提とするため、業者による制作にそのまま適用できるとは限りません。
TREND 3Dでは、お客様自身が権利を有するデータ、または必要な利用許諾を得たデータを制作対象としています。既存作品をもとにした二次創作物については、フィギュア制作の許諾内容を確認できる資料が必要です。依頼前に各パーツの規約や許諾記録を整理しましょう。
【フィギュア化の費用を左右する要因と制作依頼の準備】
制作費用は、完成サイズだけでなく、ポーズによる幅・奥行きや、造形用データへの修正範囲によって変わります。3Dデータの有無だけでは費用は決まらないため、希望条件を揃えて見積もりを依頼することが重要です。
① サイズ・形状・データ修正の内容によって費用が変わる
TREND 3Dの案内では、造形サイズ(幅×高さ×奥行)とデータ制作の有無などが見積もりの基準です。たとえ同じ高さでも、腕を大きく広げたポーズや横に張り出した衣装では、全体の幅・奥行きが変わります。
髪や装飾の補強、ポーズ変更などを依頼する範囲によっても費用は異なります。
料金例や見積もりの詳しい考え方は、「オリジナルフィギュア制作費用|料金例と見積もりの確認点」で紹介しています。
② 見積もり前に必要なデータと希望条件を整理する
制作相談では、元データの種類と完成イメージをセットで伝えると、必要な作業を確認しやすくなります。例えば「FBXとテクスチャはあるがBLENDはない」「この衣装とポーズで高さ約15cmにしたい」といった情報が役立ちます。
確認しておきたいのは、保有データ、完成サイズ、希望ポーズ・衣装、権利の確認状況です。参考画像も添えると、細かな装飾の扱いや再現の優先順位を共有しやすくなります。また、「ポーズ変更を任せたい」「髪の補強から依頼したい」など、希望する作業範囲も伝えておくと見積もりの判断材料になります。
TREND 3Dでは、Webフォームまたはメールからデータや資料を送って相談できます。FBX等のアバター元データがあれば、厚みや強度の調整、3Dプリント用データへの書き出しも含めて相談できます。 ただし、元データの状態によっては追加資料や編集可能なシーンが必要になる場合もあるため、見積もり時に確認してください。
【まとめ】
VRChatアバターは、3Dデータをもとに現実のフルカラーフィギュアにできます。ただし、VRChatで表示できることと、3Dプリントに適した状態であることは異なります。
フィギュア化を進める際は、編集可能な元データとテクスチャ、希望するポーズ・サイズを確認し、厚みや強度の調整が必要か判断しましょう。購入アバターや改変パーツでは、立体物制作と業者へのデータ提供に関する許諾も欠かせません。
TREND 3Dでは、VRChat向けモデルのフルカラーフィギュア制作に加え、元データから造形用データへの調整・書き出しにも対応しています。3Dプリント用データを用意できなくても、権利関係を確認したうえで、手元のアバターデータと希望する仕上がりをご相談ください。
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