「3Dプリンターを買いたいけれど、種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない……」
「FDMとか光造形、SLSって何が違うの?」「フルカラー造形ってできるの?」
そんな疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、3DプリンターにはFDMや光造形、粉末焼結、そしてフルカラー対応のインクジェット方式など、いくつかの代表的な造形方式が存在します。
それぞれに得意分野やコスト、仕上がりの違いがあり、自分の目的に合った種類を理解すれば、初心者でも最適な1台を選ぶことができます。
結論から言うと、3Dプリンターを選ぶ際は「造形精度」「色の再現性」「コスト」の3つを軸に考えるのがポイントです。
この記事では、主要な4方式の仕組みと特徴を比較し、用途別にどんな人にどの方式が向いているのかをわかりやすく解説します。
これを読めば、あなたにぴったりの3Dプリンターがきっと見つかります。
3Dプリンターの種類とは?まずは基本を理解しよう
3Dプリンターの基本的な仕組み
3Dプリンターは、デジタルデータをもとに素材を層状に積み上げて立体物を造形する装置です。データは3D CADやスカルプトソフトで作成し、スライサーと呼ばれるソフトでレイヤーごとの経路に変換します。プリンターはこの指示に従い、素材を正確に配置して層を積み重ねることで、最終的な立体を形づくります。
従来の切削加工が「削って形を作る」のに対し、3Dプリンターは「積み上げて形を作る」ため、複雑な内部構造や中空デザインも容易です。これにより、従来不可能だった軽量化設計や有機的な形状表現が実現します。
「方式」と「種類」の違いを理解しよう
3Dプリンターの「方式」とは、素材をどのように積層・硬化させるかという造形原理を指します。代表的な方式には、FDM(熱溶解積層)、光造形(SLA/DLP/LCD)、粉末焼結(SLS)、そしてフルカラー対応のインクジェット式(Material Jetting)があります。
一方、「種類」は、方式に加えて素材、出力サイズ、精度、用途の違いも含めた分類です。例えば同じ光造形でも、家庭向けのLCD方式と業務用のSLA方式では造形精度も運用コストも異なります。
どんな素材を使って造形できるのか
素材は方式によって異なります。FDMはフィラメント状の樹脂(PLA・ABS・PETGなど)を使用し、光造形は液状レジン、SLSは粉末状のナイロン、インクジェット方式はカラーレジンを用います。
素材特性は、強度、柔軟性、耐熱性、色表現に直接関係するため、目的に合った素材選択が重要です。
主要な3Dプリンターの造形方式と特徴を徹底比較
▶︎FDM方式(熱溶解積層)とは
FDMは、熱で溶かした樹脂をノズルから押し出し、層を重ねて造形します。機構がシンプルで扱いやすく、メンテナンスもしやすいのが特徴です。積層痕は残りやすいですが、価格と使い勝手のバランスが良く、家庭用3Dプリンターの主流です。
強度を求める試作や大型造形、冶具製作に適しています。▶︎
▶︎光造形方式(SLA・DLP・LCD)とは
光造形は、光を照射して液体樹脂を硬化させる方式です。レーザーで1点ずつ描くSLA、プロジェクタで面全体を硬化させるDLP、液晶マスクを使うLCDなどがあります。
滑らかな表面と高精細な造形が可能で、フィギュアやデザインモック、模型原型などに最適です。反面、レジンの取り扱いや洗浄、二次硬化などの後処理が必要です。
▶︎粉末焼結方式(SLS)とは
SLSは、粉末樹脂をレーザーで焼き固めて造形します。サポート材が不要で、複雑形状を一体成形できます。強度と耐久性が高く、試作品から小ロットの最終製品まで幅広く対応します。
ただし、装置が高価で、粉末管理や環境対策が必要です。産業用や研究用途で多く採用されています。
▶︎フルカラーに対応するインクジェット方式(Material Jetting)とは
【仕組みと特徴】
インクジェット方式は、インクジェットプリンターの原理を応用し、微細な液状樹脂をノズルから噴射しながら光で硬化させて積層します。複数のカラー樹脂や素材を同時に噴射することで、フルカラー出力や多素材一体成形を可能にします。
1層ごとに高精度な面露光を行うため、積層痕がほとんど見えず、非常に滑らかでリアルな表現が得られます。
【メリット・デメリット】
最大の利点は、塗装なしで完成品のようなフルカラー造形ができる点です。透明、半透明、柔軟など、異なる素材を一体で出力できるため、試作やデザイン確認に強みを持ちます。
一方で、装置と材料が高価で、運用コストもかかります。樹脂カートリッジの交換やノズルメンテナンスなど、定期的な管理が必要です。
【向いている用途】
フルカラーの試作品、キャラクターフィギュア、医療模型、建築模型、デザインレビュー用モデルなど、**「見せる造形」**に最適です。形状だけでなく色彩も含めたプレゼンテーションが必要な現場では、時間短縮と品質向上の両立が可能です。
3Dプリンターの種類ごとのおすすめ用途と向いている人
趣味用途ならFDMが扱いやすく、費用を抑えながら造形を楽しめます。デザイン試作や原型には光造形、強度が求められる機能部品にはSLS、そして彩色を含むプレゼンや展示用途にはインクジェット方式が向いています。
例えば、キャラクターフィギュアや建築模型を製作するデザイナーなら、インクジェット方式を選ぶことで塗装工程を省略し、納期短縮と高品質を両立できます。
種類別の比較表|方式ごとの違いをまとめてチェック
| 方式 | 造形精度 | 表面品質 | 強度 | カラー再現 | コスト | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| FDM | 中 | 中 | 高 | 単色 | 低 | 試作・家庭用 |
| 光造形 | 高 | 高 | 中 | 単色 | 中 | フィギュア・模型 |
| SLS | 高 | 中 | 高 | 単色 | 高 | 機能部品・小ロット |
| インクジェット | 高 | 高 | 中 | フルカラー | 高 | デザインモデル・フィギュア |
この比較からも分かるように、「色」まで含めて表現したい場合はインクジェット方式が圧倒的に有利です。
自分に合った3Dプリンターの種類を選ぶポイント
まずは「何を作りたいのか」を明確にすることが大切です。
-
- 部品試作 → 強度重視 → SLS
- 外観重視 → 光造形またはインクジェット
- 趣味・教育 → FDM
次に、求める表現レベルを考えましょう。もし「フルカラーでリアルな造形を作りたい」と思うなら、インクジェット方式が最適です。企業のデザインレビューでは、造形後すぐに彩色済みのプロトタイプを提示できるため、意思決定のスピードも格段に上がります。
3Dプリンターの種類を理解して、理想のものづくりを始めよう
3Dプリンターの世界は、今やモノクロ造形からフルカラー表現の時代へ進化しています。
FDMで基礎を学び、光造形で精密な表現を追求し、SLSで機能性を高め、インクジェット方式でリアルな色と質感を再現する──それぞれの強みを理解すれば、創造の幅は無限に広がります。
正しい種類選びが、後悔しない第一歩です。
あなたの目的に最も合った方式を選び、想像を「形」に変える体験を始めてください。

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