3Dプリントのやり方入門|ゼロから完成までの流れがわかる初心者ガイド

  • 「3Dプリンターに興味はあるけど、何から始めればいいのかわからない」
  • 「データ作成や印刷設定が難しそうで、自分にもできるか不安」

このように感じて、3Dプリントに挑戦できずにいる方も多いのではないでしょうか。

3Dプリントのやり方は、基本的に「作りたいものを決める」「3Dデータを用意する」「スライサーで出力用データに変換する」「3Dプリンターで造形する」「後処理で仕上げる」という流れで進めます。

初心者は、まず無料で公開されている3Dデータを使い、扱いやすい素材で小さな作品を出力してみるのがおすすめです。全体の流れを一度体験すると、データ作成や設定の意味も理解しやすくなります。

この記事では、3Dプリントのやり方をゼロから知りたい方に向けて、必要な道具、3Dデータの用意、スライサーソフトでの変換、実際の造形手順、後処理までを初心者にもわかりやすく解説します。

3Dプリントのやり方入門|ゼロから完成までの流れがわかる初心者ガイド

【3Dプリントの基本|やり方を知る前に押さえるべきこと】

①3Dプリントの流れは5ステップ

3Dプリントは、いきなりプリンターを動かすのではなく、データの準備から仕上げまでを順番に進める必要があります。全体像を先に理解しておくと、どこで何をすればよいか迷いにくくなります。

ステップ 作業内容 初心者が確認したいポイント
1. 作りたいものを決める スマホスタンド、小物入れ、フィギュアなど、最初に作るものを決めます。 形がシンプルで小さいものを選ぶと失敗を減らせます。
2. 3Dデータを用意する 自作するか、無料配布されているSTLデータなどを使います。 最初は既存データで流れを覚えるのがおすすめです。
3. スライサーで変換する 3Dデータをプリンターが読み取れる出力用データに変換します。 レイヤー高さ、サポート材、温度、印刷速度を確認します。
4. 3Dプリンターで造形する 素材をセットし、データを読み込ませて造形を開始します。 最初の層がしっかり定着しているか確認します。
5. 後処理で仕上げる サポート材の除去、やすりがけ、洗浄、塗装などを行います。 後処理は造形方式によって異なります。

②そもそも3Dプリントとは?

3Dプリントは、デジタル上の立体データをもとに、材料を少しずつ積み重ねて現物を作る「積層造形」の一種です。従来の削る加工や型に流し込む方法と異なり、複雑な形状や少量の試作を作りやすい点が特徴です。

ただし、3Dプリンターはデータ通りに材料を積み上げるため、モデルの厚み、角度、空洞、サポート材の有無が仕上がりに影響します。やり方を覚えるときは、機械の操作だけでなく、データ作成や素材の特徴もあわせて理解することが大切です。

③主な造形方式と特徴

家庭用でよく使われるのは、樹脂フィラメントを熱で溶かして積み上げるFDM方式です。装置や材料を比較的そろえやすく、スマホスタンドや小物、試作品などを作る練習に向いています。一方で、表面には積層痕が残りやすいため、必要に応じてやすりがけや塗装で仕上げます。

光造形方式は、液体レジンに光を当てて硬化させる方式です。細かい表現に向いており、フィギュアや精密なパーツを作りやすい反面、洗浄や二次硬化、換気、手袋の着用など安全面への配慮が必要です。方式によって得意な表現や後処理が変わるため、作りたいものに合わせて選ぶことが重要です。

 

【3Dプリントに必要な道具と準備】

①最低限そろえるもの

3Dプリントを始めるには、3Dプリンター本体、素材、3Dデータ、スライサーソフト、パソコンまたはデータ転送用の機器が必要です。最初から高機能な環境をそろえるより、目的に合った最低限の構成で始める方が失敗を減らせます。

FDM方式の場合は、フィラメントを本体にセットし、スライサーで変換したデータを読み込ませて出力します。光造形方式の場合は、レジンのほかに洗浄液や二次硬化用の機材が必要になることがあります。

②初心者に扱いやすい素材

初心者がFDM方式で始める場合は、PLA素材が選択肢になります。PLAは比較的造形しやすく、反りも起きにくいため、初回の練習に向いています。ABSやPETGは強度や耐熱性に利点がありますが、温度管理や造形環境の影響を受けやすいため、基本操作に慣れてから挑戦するとよいでしょう。

素材を購入する際は、プリンターが対応しているフィラメント径や推奨温度を確認します。保管中に湿気を吸うと吐出が不安定になることがあるため、使用後は密閉袋や保管ケースに入れると安心です。

③作業環境の整え方

プリンターは水平で安定した台に設置し、周囲に作業スペースを確保します。造形中はモーター音や素材のにおいが発生することがあるため、換気できる場所で使うことが大切です。

特にレジンを使う光造形方式では、皮膚に直接触れないよう手袋を使い、必要に応じて保護メガネも用意します。家庭で使う場合でも、素材や工具を扱う作業であることを意識し、安全に作業できる環境を整えましょう。

【3Dデータを用意する方法】

①3Dデータの基本形式

3Dプリントでは、立体形状を表す3Dデータが必要です。よく使われる形式にはSTLやOBJがあります。STLは形状情報を扱う一般的な形式で、単色の出力やFDM方式の練習に使いやすい形式です。OBJは形状に加えて色や質感の情報を扱える場合があり、見た目にこだわるデータで使われることがあります。

初心者は、まずSTL形式を基本として覚えるとスムーズです。多くのスライサーソフトがSTLに対応しているため、無料配布データを使った練習にも向いています。

②無料データを使う方法

最初から自分で複雑なモデルを作る必要はありません。無料配布されているSTLデータを使えば、データ作成を飛ばして「変換、造形、後処理」の流れを体験できます。

既存データを使うときは、評価や作例写真があるものを選び、スライサーでサポート材の有無や印刷時間を確認してから出力します。

なお、無料で公開されている3Dデータでも、商用利用や再配布が禁止されている場合があります。個人利用の範囲を超えて使う場合は、必ず配布元のライセンス条件を確認しましょう。

③自分で3Dデータを作る方法

慣れてきたら、Tinkercadのようなブラウザ型のモデリングツールで、文字入りのネームタグや簡単な小物から作ると理解しやすくなります。正確な寸法が必要な部品には設計向けソフト、有機的な形状にはBlenderなどの3D制作ソフトが使われます。

ただし、薄すぎる壁、閉じていない面、極端に細いパーツは出力失敗の原因になります。印刷前にスライサーのプレビューで、形が正しく出るか確認しましょう。

【スライサーソフトでデータを3Dプリンター用に変換する方法】

①スライサーソフトの役割

作成またはダウンロードした3Dデータは、そのままでは多くの3Dプリンターで出力できません。スライサーソフトで、プリンターが読み取れる出力用データに変換します。FDM方式ではG-codeが使われることが多く、光造形方式では機種ごとの専用形式になる場合があります。

スライサーはモデルを薄い層に分け、ノズルの動き、温度、速度、サポート材の付き方を計算する重要な工程です。ここでの設定が、造形時間や表面のきれいさ、失敗のしやすさに大きく関わります。

②設定で確認したい項目

設定で特に確認したいのは、レイヤー高さ、サポート材、印刷速度、ノズル温度、ベッド温度です。レイヤー高さを小さくすると表面はなめらかになりますが、造形時間は長くなります。

サポート材は、空中にせり出した形状を支えるために必要ですが、多すぎると除去に手間がかかります。最初はメーカー推奨のソフトや、機種ごとのプリセットが用意されているソフトを使い、標準設定で小さなモデルを出力します。仕上がりを見ながら少しずつ調整すると、原因と結果を理解しやすくなります。

【3Dプリンターで造形する手順】

①印刷前に確認すること

スライスが完了したら、出力用データをSDカード、USBメモリ、Wi-Fiなどでプリンターに読み込ませます。素材をセットし、プリンターを予熱してから印刷を開始します。

FDM方式では、フィラメントがノズルから安定して出るか、造形前に少量を押し出して確認すると安心です。また、ベッドの汚れやノズルとの距離も確認します。1層目の状態が悪いと、途中で造形が崩れる原因になります。

②印刷中に見るポイント

印刷開始後は、特に最初の層をよく確認します。1層目がベッドにしっかり定着していないと、途中でモデルが浮いたり、造形がずれたりします。ノズルとベッドの距離が合っていない、ベッドが汚れている、温度が合っていないといった要因で失敗するため、最初の数分は必ず様子を見ます。

造形中に異音、煙、素材の詰まり、モデルの大きなズレが起きた場合は、無理に続けず停止します。初心者のうちは、短時間で出力できる小さなモデルから試すと原因を確認しやすくなります

【造形後の後処理と仕上げ】

①サポート材の除去

出力が終わったら、サポート材やラフトを取り外し、必要に応じて表面を整えます。FDM方式では、ニッパーやカッターでサポート材を外し、やすりで積層痕やバリを整えます。力を入れすぎると本体まで欠けることがあるため、細かい部分は少しずつ処理します。

光造形方式では、サポート材の除去に加えて、洗浄と二次硬化が必要です。未硬化レジンが残るとベタつきや強度不足の原因になるため、洗浄液で表面を洗い、UVライトなどで硬化させます。

②仕上げに使う道具

後処理にあると便利な道具は、ニッパー、カッター、紙やすり、ピンセット、手袋、保護メガネです。塗装する場合は、表面を整えてから下地を作り、塗料やトップコートで仕上げます。

最初は道具を増やしすぎず、作るものに応じて追加すると無駄がありません。小さな作品でも、サポート材の処理や表面仕上げを丁寧に行うことで、完成度は大きく変わります。

【初心者が失敗しやすいポイント】

①印刷設定で起きやすい失敗

3Dプリントで失敗しやすい原因は、1層目の定着不足、温度設定の不一致、サポート材の設定ミス、素材の湿気です。特にFDM方式では、最初の層がうまく付かないだけで全体が崩れやすくなります。

失敗した場合は、温度、速度、サポート材、ベッドの状態などを1つずつ確認します。一度に多くの設定を変えると原因が分かりにくくなるため、1項目ずつ調整することが大切です。

②データで起きやすい失敗

データ面では、閉じていないモデルや厚みのない面に注意します。見た目では問題がないように見えても、スライサー上で造形パスが抜けている場合があります。

出力前にプレビューを確認し、極端に薄い部分や空中に浮いた部分がないか見直します。既存データを使う場合も、必ずスライサーで確認してから印刷すると失敗を減らせます。

【まずはここから!初心者におすすめの作れるもの】

①実用品から始める

初心者が最初に作るなら、スマホスタンド、ケーブルホルダー、小物入れ、ネームタグなどがおすすめです。形が単純でサイズが小さいため、出力時間が短く、失敗しても原因を確認しやすいからです。

実用品は完成後に使えるため、3Dプリントの楽しさも感じやすくなります。最初の成功体験を得ることで、次の作品にも挑戦しやすくなります。

②データ探しのポイント

既存データを探すときは、無料配布サイトで「STL」「3D print」などの語句を組み合わせて検索します。評価や作例写真があるデータを選び、スライサーでサポート材の有無や印刷時間を確認してから出力します。

また、モデルのサイズが大きすぎる場合は、スライサー上で縮小して出力する方法もあります。ただし、縮小しすぎると細い部分が出力できないことがあるため、プレビューで確認してから実行しましょう。

【まとめ|3Dプリントは「流れ」を知れば誰でも始められる】

3Dプリントのやり方は、作りたいものを決め、3Dデータを用意し、スライサーで変換し、プリンターで造形し、後処理で仕上げるという流れです。最初から難しいモデルに挑戦するより、小さくシンプルな作品で一連の工程を体験する方が理解しやすくなります。

基本の流れをつかめば、3Dプリントは特別な人だけの技術ではありません。少しずつ設定やデータ作成に慣れていくことで、自分のアイデアを実物として形にできるようになります。

【FAQ】

①3Dプリントは初心者でもできますか?

3Dプリントは初心者でも始められます。最初は無料配布されているSTLデータを使い、FDM方式の3DプリンターとPLA素材で出力すると、基本の流れを理解しやすくなります。

②3Dプリントに必要なものは何ですか?

基本的には、3Dプリンター本体、素材、3Dデータ、スライサーソフト、パソコンまたはデータ転送用の機器が必要です。光造形方式の場合は、洗浄液やUV硬化用の機材も必要になります。

③3Dデータは自分で作らないといけませんか?

必ず自作する必要はありません。初心者は、まず無料配布されている3Dデータを使って出力の流れを覚える方法がおすすめです。慣れてきたら、Tinkercadなどで簡単なモデル作成に挑戦するとよいでしょう。

④3Dプリントで失敗しやすい原因は何ですか?

よくある原因は、1層目の定着不足、温度設定の不一致、サポート材の設定ミス、モデルデータのエラー、素材の湿気です。印刷前にスライサーのプレビューを確認することで、失敗を減らせます。

⑤スマホだけで3Dプリントはできますか?

スマホだけでも3Dデータを探したり、簡単な編集をしたりできる場合があります。ただし、スライス設定、プレビュー確認、エラー修正はパソコンの方が作業しやすいため、初心者はパソコンを併用する方が安心です。

Trend 3D

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